まじっくのたねあかし”おまけつき”ver4
人を好きにさせる!催眠術師 超養成動画マニュアル

マジックタネ明かしへの意見

ネット上に
http://www.geocities.jp/gomayakata/magic/mag1.htm
マジックのタネ明かし番組についての意見を見つけたので引用させていただきました。

タネ明かしをする場合に相手のレベルに合わせるという考え方があるのがおもしろいなと思いました。


タネ明かし番組

テレビを見ていると、ここ最近、タネ明かし番組が非常に増えてきました。(特に年末年始)
マスク・ド・マジシャンを始め、Mr・マリックやナポレオンズ、プリンセス・テンコーなどの有名どころはみんなタネ明かし番組をやっています。普通のマジック番組では視聴率が取れないのでしょうか?
自分たちが考えたネタならいくらばらしてもいいのですが、時々、私がよく使うマジックもテレビで公開しているので困ったものです。2001年12月〜2002年1月のこの2ヶ月間でネタばらししたマジックの中では・・・

・幸せの書(Mr.マリック?)
 本に書かれている文字をずばり当ててしまいます。

・立ち上がるマッチ棒(マジシャン先生)
 手の平の上に乗せたマッチ棒がひとりでに立ち上がります。
 もちろん、ヒモなどはついていません。

・消えるコップ(ナポレオンズ)
 新聞紙で覆ったコップが一瞬のうちに消えてしまいます。

この3つは私のよく使うネタだったので、テレビで公開されてショックでした。
マジックの原理に特許などは取っていないので、法的には問題ないと思いますが、なんとかならないのかな?

タネ明かしをして・・・

「サーストンの3原則」に反して、私もマジックを演じた後にタネ明かしをすることがあります。
(マジシャン仲間相手や「覚えたい」と熱意を持って頼まれた時は特に・・・)
しかし、その人のレベルにあったマジックを教えないと単なるネタばらしになってしまいます。
私はマジックのタネ明かしに関して、教えられる人のレベルは以下の3種類に分けられると思います。

・マジックを見せただけで、そのタネをおおよそ見破る人
 時々、マジックを全然しない人に得意の(自信の)マジックを見破られる事があります。(笑)
 カンの良い人、賢い人はいるものです。(私の演技がまずいのか?)

・マジックのタネを教えて、理解する人
 これはごく普通の人です。

・マジックのタネを教えても理解できない人
 タネがちょっと難しかったりすると、理解できない人がいます。
 教えるネタの選択が間違っています。もっと簡単なマジックをやさしく丁寧に教えてあげましょう。

マジック番組ワースト3

本記事の内容は、
http://www.kawachi.zaq.ne.jp/attoodoroku/essay/tv-worst3.htm
より引用させていただいています。

マジックのタネ明かし番組は、視聴率重視という考えでは、絶対にいけないと思いますし、出演するマジシャン、観客として芸能人たちの見識が問われます。どこまでも、マジックをこれからもずっと、人々に感動を与えつづけるものとして放送することがテレビでのマジック番組の義務だと思います。
引用させていただいた下記の文章のように、テレビ関係者の見識のなさには困ってしまいます。

【第1位】
マジックのタネ教えます」(1982年)
 私の知るかぎり、タネあかし番組の元祖のように思います。当時、奇術協会は何とか放映をやめさせようと動いたようで、そういう真剣さは昔の方があったような気もします。
 さて、そのタネですが、こんなことするヤツおらんやろ、というくだらないタネの連続。かとおもえば、ビリヤードボールの演技を裏側から観るというあまりにも品のないタネあかし。そこまではまあいい。ただ、どうしても許せず、私が迷わずワースト1にしたのは、ナレーターの次のフレーズ。「まったく、ちょっと見えないと思ったら油断もスキもあったものじゃない。マジシャンにはご用心。」「実に巧妙な手口ですなあ、全く。」まるでマジシャンが市民の懐中をねらっているような、マジシャンには気をつけろ、というニュアンスのコメントの連続。他のネタばらし番組、タネ推理番組が、まだ「マジックはすごい」という設定の中にあるのに対し、この番組はマジックを、マジシャンを著しくおとしめるものでした。
 こんな番組に出るマジシャンがいることも、また驚きでした。
いまだに迷わずワースト1です。

【第2位】
マスクマジシャン(2001年)
 2001年に来日し、バラシまくったマスクマジシャン。世界中のマジシャンが彼の命を狙っているような表現は上記の第1位の番組に通じるところもあります。だれもかれの本名を知らないのだそうだ。みんな知ってますよ、バレンチノさん。
 彼曰く、「古いマジックのタネをばらすことによって、マジックが進化する」。そういう一面があるのも事実かもしれません。すくなくとも局側はその大義名分で番組作りをすることができます。しかし、彼が本当にマジックの進化を願っているのなら、自分が進化したマジックを演じてスーパースターになるのが一番いい方法でしょう。アメリカで泣かず飛ばずで売れなかったバレンチノが、大金を儲ける方法として暴露という道を選んだストーリーには、マジックを愛する気持ちなど微塵も感じられない。
 バレンチノはろくでもないタネあかしもしていましたが、マジック界の財産ともいうべき作品のタネあかしもしてしまいました。同じタネでも彼のような下手なマジシャンが演じれば古めかしいマジックかもしれないが、上手いマジシャンの手にかかればうっとりするような魔法を演出できるのがマジック
 
【第3位】
わたしはあきらめない(2002年)
番組自体には文句はありません。でも、その中でのマリックさんの言葉に唖然とし、マリックファンとしてショックを受けたので3位に入れておきます。
古典的方法で透視のマジックの実演しタネ明かしをした後、別の最新のトリックで透視をしてみせました。後の演技の方がより魔法に近いと言いたかったようです。でも、そうでしょうか。
「知らない人が見たらいっしょなんですよ。」
そうです。だから、それでいいではないですか。
「私がここまで苦労して魔法に近づけたものが伝わらないんです。」
「さっき見せたのと一緒って言われちゃうんです。悔しいんです。」
マジシャンがどんなに苦労したかなんてお客さんには関係ありません。お客さんが一緒だと思ったら一緒です。マジシャンから言えば同じマジックでも、ちょっとした演出でお客さんには別のマジックに見えたらそれは別のマジックです。そんなことはプロ中のプロのマリックさんが一番知っていることです。
私見ですが、私は、お客さんに見える現象が同じなら、より単純なタネの方が、より簡単な技術でできるほうが優れたマジックだと思います。「マジシャンの目で見てもらって、本物だと思われたい。」これでは単なるマニアです。

「自分の演技をより魔法に近く見せるために、他のマジックのタネを明かす」という論法だけについて言えば「タネ明かしをすることによってマジックが進化する」というマスクマジシャンよりひどい。いったい、どうしちゃったのだろう、マリックさん。
Mr.マリック師の弁明
TVにおける種明かしについて(2002/10/9)

2000年12月13日にTBSテレビから放送された、「オフレコ!Mr.マリックの超魔術徹底解剖スペシャル1」では、多くのネタバラシが行われ、その後、日本のTV番組におけるマジック暴露ブームに火をつける結果になった。2001年は、各局から競うように暴露を売りにした番組が次々に放映されたのは記憶に新しいところです。

一方で、Mr.マリック師は、NHKの「ようこそ先輩!課外授業」、テレビ東京の「Mr.マリック☆魔法の時間」、BS-Iの「Mr.マリックの世界魔術大博覧会」等では、優れたマジック番組を生み出してきました。

この二つの顔を持つMr.マリック師の真意はどこにあるのかは、多くの奇術愛好家を長い間悩ましてきました。

しかし、2002年10月9日にNHKから放映された「わたしはあきらめない」の中で、Mr.マリック師はついにタネ明かし終結宣言をしました。

Mr.マリック師の弁明

NHK番組「わたしはあきらめない」の中で (2002/10/9放映)

マジックのタネ明かしをTVでしてはいけない。それは世界のマジシャンの共有財産だからだ。マジシャンにお詫びしたい。この件については、何の言い訳もない。』

そして、NHK番組「わたしはあきらめない」のホームページ上では

『自分の話は恥かしいね。自分としては一生懸命やってきただけで、苦労してないんだけど…「タネ明かし」したことにお詫びが出来てよかった。でも、新しいものを作るときには、壊してから作るということも必要だと思うので。「タネ明かし」こそ、マジックをやっている人に見てもらいたいな。僕はタネ明かし終止宣言をします。これからは、より本物の魔法使いを目指します。』

というようなマジックの種明かしに関しての責任とコメントを述べました。

TVというようなあまりにも公開された場でのでマジックの種明かしをしてしまったということに詫びているのであって、種明かし自体を否定しているものではなさそうです。

JMMAのHP
http://www.wizards-inn.com/jmaa/topic/topic02_02.htm
より引用させていただいています。

 私自身はこの件に関してアメリカに渡り、Magic Castles IncのプレジデントであるMilt Larsenやthe Academy of Magical ArtsのプレジデントであるDale Hindman、またマジック・キャッスルに訪れているマジシャン達と話をする機会を持ちました。日本に帰ってきてからはWorld Alliance of Magicians (WAM)のプレジデントであるWalter Zaney Blaney氏とメールでの意見交換も行いました。最終的には「 You sound like a very nice gentleman and a good magic friend.」と言っていただきメール上ですが「I hope we get to meet one day soon.」となりまして、個人的には本当に会えることを楽しみにしています。
 アメリカでのリサーチの内容はJMAA(ジャパン・マジカル・アーツ・アソシエーション)のホームページでも紹介しているところですが、単純に言ってしまえば、やはり人それぞれ、様々な意見があります。ただ言えることは大抵のマジシャンは興味本位、人々のマジックに対する興味を失わせてしまうようなマジックの秘密の扱いには反対であると言うことで、これは私も同意見です。では、どこまでが良くてどこからが望ましくないのか? このライン引きがマジシャンの間でも異なるのです。これは各マジシャンの経験やマジックに対するスタンスによっても異なります。パフォーマーとしてのみの観点である場合、「自分が最も演技をしやすい理想的な環境は自分と観客とのマジックの知識が100対0であること」という主張から観客には全く知らせるべきではないとの意見もあるでしょうし、マジックを啓蒙し若い芽を育てることを考えているマジシャンはテレビでのレクチャーの効果を認める意見も出ることでしょう。マジックの可能性をどこまで感じているかによっても差がありますし、そのマジシャンが主にクロースアップマジックを演じるのかイリュージョンを演じるのかでも考えに差が生じます。
 私が国内で会ったある高名なマジシャンはタネ明かし問題に対する反対派の反応を評して「戦後、食糧不足の中で育った大人達が今の子供達に『食べ物を残さず食べなさい!』と言うようなもの」と言いました。確かに、一側面を突いていると思えます。かつて力書房から「奇術研究」が発行されることになったとき「一般書店でそんなに安価にマジックのやり方を入手出来るようにするとは何事だ!」と反対の声が挙がったと聞きました(私はリアルタイムで体験しているわけではないのですが・・・)。しかし、現在では「奇術研究」の影響により日本で優れたマジシャンが生まれた事実があります。時代は流れ、様々なメディアが生まれています。マジックを覚える手法もメディアの多様化に応じて今後も様々な形が生まれるでしょうし、そうあるべきです。さもなければマジックのみが他の文化、芸術、エンターテイメントの発展から乗り遅れてしまいます。今、現役で活躍しているマジシャンにマジックに興味を持ったきっかけを聞くとそれはプレゼントにもらったマジックの道具だったり、ふとしたことから手に入れたマジックの本だったりします。しかし、近い将来には「子供の時にテレビでマジックのやり方を覚えて・・・・」と答えるマジシャンが誕生するかもしれません。
JMMAのHP
http://www.wizards-inn.com/jmaa/topic/topic02_01.htm
より引用させていただいています。

 去る、9月8日、フジテレビにてテレビ番組「不思議どっとテレビ。これマジ!?」においてウィザード・イン所属のマジシャン緒川集人が出演し、マジックの演技とマジックのテクニックを披露しました。この中でマッスルパス、クラシックフォース、エスティメーションを視聴者に見せ、このことからマジックのテクニックを公共放送で一般に対して見せることを疑問視する意見が生まれウィザード・インの運営する掲示板やマジック・メーリング・リストなどで議論が起きました。私自身は番組制作には関わっていないため番組がどのような経緯で作られたかには詳しくありません。番組の経緯、コンセプトに関しては緒川集人氏自身のホームページで近々コメントが発表されることでしょう。

 このことはマジック界、インターネットの普及による変化、プロとアマのスタンスなどを改めて考える機会となりました。インターネットの普及により地理的に遠く離れたもの同士が交流を持つことが出来、他人の考えを知識として取り入れ、共有することが非常に容易になりました。マジックに於いてもインターネットによるメリットは計り知れないものがあります。情報発信も非常に容易なものとなりました。しかし、文字による情報伝達はそれだけで説得力を持つことが少なくありません。その結果、正しい情報と間違った情報、ニュートラルな意見と偏った意見、主観と客観の区別がつきづらくなっている感も否めません。そして、ホームページの完成度の高さと情報の説得力のすり替えが起こる場合が往々にしてあるようにも思えます。わかりやすく言えば「カッコいいホームページに書いてあることは、その内容までが正しいと鵜呑みにしてしまう」ということです。
 現在、「スティングのマジックの玉手箱」や、「マジェイアの魔法都市案内」ではかなり本格的にタネ明かし問題について文章を掲げてあり、個人名、団体名も明記されていますが、その内容はかなり偏ったものであると言わざるを得ません。もちろん、各個人にそれぞれの主張がありそれに基づいたホームページとなっているわけですから、情報の正確さとホームページ自体の存在意義を簡単に等号で結びつけることは出来ませんし、確かに得られた資料と、事実関係、そして推論を交錯させての理論体系作りは読み手を納得させるだけの力があります。一部のテレビ番組がレポートと称して、取材前から決まっているテーマに沿う素材のみを抽出し、構成と編集技術によってそれが世論であるかのようなものを作り出してしまうことがありますが、インターネットのウェブページではそのようなことが個人レベルで出来てしまうのです。
 また、インターネットの普及により個人の発言力が増大したため、プロが許容している事柄に対してアマチュアサイドが「こんなことをさせておいて良いのか?」的に問題を煽っている傾向も見られます。これにより不必要な歪みが生じないことを願わずにはいられません。
2001年10月にJMAAのメンバーである秋元、田中、緒川がハリウッドに渡りタネ明かしに関するマジシャン達の考えをリサーチしてきました。そのときのことを語った文章は次の通りである。

【概要】
 私、秋元がハリウッドに着いた初日にミルトのセッティングでアカデミーオブマジカルアーツのプレジデントのデイルとキャッスルのオーナーであるミルト、そして緒川と私の四者でディナーをとりつつの会談を行いました。
内容は緒川が出演した番組に関してのことでしたが両者の個人的な見解や、団体の長であるという立場からの見解などがあり、この会談の内容を100パーセントご報告することには困難があります。ただ、言えることはとても良い雰囲気で話は進みお互いに納得のいく形での会談となりました。私達も興味本位のタネの暴露をテレビで行うことは望んではおりません。
緒川が出演した番組に関してデイル、ミルト両氏に日本からもメールが届いていたようですが、その内容が度を超えた誹謗、中傷であるようなものには彼らも耳を貸さなくなるでしょう。

今回の滞在は日数が限られていたこと、さらに各マジシャンとの話は、一度話が始まると数時間に及ぶこともあるためリサーチ出来た人数的には制約もありましたが、出来る限り多くのマジシャンと会って話をしてきました。
また、アンケートに答えてくれたマジシャンも14名います。これまた、個人名をそのまま書くことは問題がある場合もありますが、この質問内容と答えは早急にこちらで公開したいと思います。賛成派、反対派いろいろなと貴重な意見を得ることが出来ました。
話の内容の録音とホームページへの掲載許可をくれたマジシャンもいますので、これは日本語訳を作りホームページ上にアップしたいと思います。

私がハリウッドを発った翌日には田中、緒川がブルース・サーボンと会うことが出来ました。いろいろと励ましの言葉、貴重なアドバイスをもらってきたようです。彼もまた、キャッスルのボードメンバーであるためその影響力から話の内容をそのままお伝えするのは難しい部分もあります。

田中は本日帰国しましたが、番組作りのスタンスは間違っていなかったことを会談を通じて再認識したようです。

ジャパン・マジカル・アーツ・アソシーエションとは
Japan Magical Arts Association (JMAA)

 ここ近年、マジック熱が高まりを見せ、マジックショーなどのイベントの人気が増加し、雑誌、テレビ番組、インターネットなど様々なメディアで取り上げられるようになりました。そして、これらの展開は今後さらに活性化することが予想されます。この状況に対応するためには、しっかりとしたコンセプトを持っての対応が必要不可欠となります。

 ジャパン・マジカル・アーツ・アソシーエションはこのような現代の状況を踏まえつつ、マジックの発展と啓蒙、マジシャンの育成と地位向上を目的として活動する団体です。2001年10月にJMAAのメンバーである秋元、田中、緒川がハリウッドに渡り、タネ明かしに関するマジシャン達の考えをリサーチしてきました。

ジャパン・マジカル・アーツ・アソシーエションのタネ明かしに関しての立場

 テレビにおけるタネ明かしが最近話題になっています。私達は元来、興味本位のタネ明かし番組は否定しています。また、今後、そのような、興味本位、マジシャンの地位をおとしめるタネ明かし番組に協力、関与するつもりもありません。
 マジックを日本において浸透させ、広めるためにはマジックとして、そしてエンターテイメントとして扱う企画をプロデュースしたり、監修、参加したりすることが必要であると考えます。
 今後もそのような観点から、マジックを広めマジシャンの地位向上のための活動を続けていきます。
マジックのタネ明かしについて、ボナ植木さん(ナポレオンズ)の意見が述べられている記事を見つけました。プロマジシャンとしての複雑な立場であることが察せられます。

この記事は、『私が覆面マジシャンと戦わない理由〜今回はマジメな話だ (2001/07/20)』より引用させていただきました。

ボナ植木師の意見
これが私の生きる道 This is my way.

覆面マジシャンをご存知でしょうか?
先日、日本テレビの特番で放送されたから、ご存知の方も多いことでしょう。
彼はアメリカのFoxテレビでマジックの種明かし番組を放送して、マジシャン達と問題になった人物です。
それのスペシャルが日本で放送されたのです。
今、日本の奇術界はこの話でもちきりです。

 子供の頃みた「ベン・ハー」だったか「イエス・キリストの生涯」だったか忘れましたけど、今でもその映画の中でのシーンを覚えています。
 民衆が、不倫をした女性に石をぶつけていると、そこにキリストがきて、「彼女は罪を犯した、だから石をぶつけられてもいた仕方ない、でも、みんなの中で、いままで罪を犯したことのない人だけが、彼女に石をぶつけなさい」というと、民衆は誰一人石をぶつけずにその場を立ち去っていきました。

 覆面マジシャンのした事を、私は認めるわけにはいきません。
しかし残念ながら、私も一般人に「種明かし」をしてきました。
今も「マジック王国」というテレビで毎週、「種明かし」をしています。
ですから、私自身が、彼を糾弾したりすることはできないと考えます。

 もし、マジシャンで覆面マジシャンに憤りをもっている人がいるなら、いままでどんなマジックでも、一般人に種明かしをしたことのない人だけが、クレームをつけたり、糾弾する権利を持つものだと思います。

 最近種明かしをしているマリックさんに対しても、私はクレームをつけたことはありません。確かに、売りネタや人のネタをばらしていて、憤りはありますが、さっきもいったように、私には、その権利がありませんし、立場もありません。

「種明かし」にあれならいいとかこれならいいとかは、絶対に存在しないのです。マジックのタネは明かしてはいけないのは大前提です。

 私がそれをするのは、いろいろな理由があるからです。
しかしそれをどんなに論理的にいったとしても、それは、私だけの都合の理由で、誰をも納得させることはできませんし、まして「種明かしをしてはいけない」という大前提を覆すような理由は存在しません。

 ですから私に対しても、覆面マジシャンに対しても、クレームをつけられる人、つまり、石を投げられることのできる人は、マジシャンとして、いままで罪(種明かし)を一度たりとも犯したことがない人に限る、と思うのです。

 くどいようですが、どんなマジックでも種明かしは御法度です。
それが「簡単な小手先」のものだろうが、「胴切り」だろうが、だめなものはだめです。
 例え一人に対してでも、数十人に対してでも、あるいはテレビを通して何万人に対しても、種明かしは種明かしです。五十歩百歩です。

 あれならいい、ここまでならいいという設定はできないのです!ダメなものはダメです。

 でも種明かしする人は、その人個人に、理由があるからするのです。
覆面マジシャンは「マジックの発展のため」といいますが、それは彼の中での動機です。「お金の為」もあるでしょう。他人には「詭弁」でしょう。でも彼にとってはそれは「真理」であり、そうさせた「動機」に、偽りはないのです。

しかし、彼には石をぶつけてもいいでしょう。

しかし、私には石を投げる権利がありません。

以前、マリックさんは超能力者ではなく単なるマジシャンだというので、私は種明かしを雑誌でしました。

 その時、色々なたくさんの人からクレームをいただきました。
でも、今でも思うのです。その時、「石」を投げた人は、その権利があって投げた人たちなのでしょうか? 本当にその人たちにその権利があったのでしょうか?

 もし、その場にキリスト様がいたら、笑ってそれを見ていたことでしょうね。そして私に「石」を持たせ、こういうかもしれません。
「これを自分に投げるか、相手に投げ返すか、考えなさい」と。

でも私の答えは、ひとつ。

「自分は罪を犯しているから、自分にも相手にも、石は投げられない」

私はたくさんの「石」の雨の中、
ただ、その手の中にある「石」を地面に置くだけです。

 もちろん、演技で失敗して、タネがばれてもそれは、種明かしと「同罪」といわざるを得ません。
 ですから、命がけで練習し、失敗があっては絶対(!)、ならないのです。中途半端で舞台にかけてはいけないのです!

 先日、知り合いの人にあったら、こんなことをいってました。
「いやー、この間、寄席でXXというマジシャンみて、やっとわかったよ、あの輪っかがつながるマジックのタネ! いままでわかんなかったのになあ」
 リンキングリングという金属の輪がつながるクラシックマジックです。タネがシンプルなため、上手いマジシャンにかかれば魔法ですが、下手な人にかかるとばれてしまいます。そのマジシャンの名前をきいているから、やい!XX!夜道は気をつけるんだな!

 へたや失敗での種明かしは、それは「個人的な理由」があってする種明かしと、まったく「同罪」といってもいいくらいです。

 同じタネがばれても「演技の失敗なら仕方がない」では通りません。
ならば、失敗に名をかりて、種明かしをするマジシャンがでてきても、誰も止められないでしょう。

とにかく、「種明かし」をしてはいけないのです。

ただ、私には自分の中で様々な理由があり、自分で納得してやっているのです。

例えば、
「親しいテレビ局の人に頼まれるから」
「視聴率をとれるから」
「マジックに興味をもってほしいから」
「マジックは物理、心理を応用したすばらしい芸能とわかってもらうため」
「人間はいかにだまされやすく、弱い動物かを認識してもらうため」
「仕事、つまりギャラをもらえるから」
「見た人で喜ぶ人が多いから」
「笑ってくれるから(ひっかかった観客自身をみずから)」
「子供に受けるから」
「美女に頼まれたら」

ね? どれをとっても「種明かしをしてはいけない」を覆せるものは、ひとつもないでしょ?

 しかし、だたひとつ考えなければならないことは、「思いやり」です。
そんな生半可な! と思いでしょうが、
私のマジックの演技の中で大事な要素は「思いやり」です。

手順の複雑なのは、観客にとって「思いやり」にかけます。
お客さんを舞台にあげるなら、手をとってあげるくらいの「思いやり」が必要です。
お客さんをバカにするセリフは「思いやり」にかけます。
なが〜い、演技はお客にとって「思いやり」にかけます。

これを自分の「種明かし」にあててみると、

★このマジックを「種明かし」したら、観客は喜ぶどころか、落胆するだろうな、ならこれはやめようと「思いやり理論」から判断します。

★また、人の考えたオリジナルなマジックを明かしたら、その人が「気分を悪くするだろうな」と「思いやる」ことは当然です。

★マリックさんの時は、マリックさんを「思いやる」より超能力者と勘違いしてあやまった道に行こうとしていたたくさんの人を「思いやった」のです。

 このように、自分にとっての「種明かし」の理由は様々ありますが、いずれにしても、それは「種明かしをしてはいけない」をひっくり返すことは出来ないのです。

 私は、子供の頃テレビで見たマジックの種明かしで、マジックに興味を持った人間です。柳沢よしたねさんやアダチ龍光師匠、高木重郎先生、初代引田天功先生などの種明かしを喜んで見ていたものです。

 それでプロのマジシャンになったようなものです。
「なんだよ、それでまた種明かしをしたんじゃしょうがないじゃん! 確信犯か?」とおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。

でも「種明かしをしている」ということを差し引いても、私は、日本だけでなく世界のマジック界にも大きく貢献していると、
自ら、誇りをもって、そして胸をはって言えます!

それが私のマジシャンとしての生き方です。
マジックのタネ明かしについてのあるマジシャンの見解

本来、マジックのタネ、技法といったものは師匠から弟子へと伝えられるもので、他の人に口外してはいけない重要な秘密であったようです。現在では多くの手品の本が出版されていますし、マジックグッズを買えば誰でも簡単にマジックのタネを知ることが出来ます。また、かなりハイレベルなマジックでもインターネット上を探せばタネ明かしされてしまっているものもあります。こういった高度なマジックはタネ明かしをするよりも、純粋にその不思議さを楽しむべきだと思います。実際タネが解ったところで相当な技術と練習がなければ自分で演じることは出来ないと思います。
テレビなど公開性の高いメディアでのマジックのタネ明かしは、やはり賛成派が少ないようです。あるアマチュアの奇術愛好家の方がホームページ上でマジックのタネ明かしに関して意見を述ています。

http://www1.seaple.icc.ne.jp/key_of_magic/taneakashi.htm より引用させていただきました。

まず結論から言いましょう。僕はタネ明かしに絶対反対です。
理由は人の迷惑になるから。マジシャンにとっても、普通の人にとってもです。
まず前者のほうから。マジシャンにとって迷惑なのはあたりまえですね。
もちろん種を知られたマジックは演じられなくなるからです。
そしてもっとも迷惑なのが考案者です。自分のマジックを暴露されたらどんな気持ちになるでしょうか?
それにそのマジックを販売している人も、です。
最近ではマスクマジシャンとやらがなんか暴露していましたが、
「種を明かすことでマジックは進化する」って何ですか?
いったいなにが進化するんでしょうか?この言葉に苛立ちを覚えたマジシャンは少なくないはず。
ほかにもいろいろマジックの種を見破ろう、という趣旨のTV番組が近頃多いようですが、残念な限りです。
「マジックは芸術だ」これは僕の先生がよく言っている言葉です。
とてもいい言葉だと思いませんか?マジックは推理クイズではないのです。
人の夢を壊すようなパズルは、まったく必要がないのです。
大体、マジックの種を見破ろう、とか種を知りたい、という考えは
一切捨てるべきなのです。マジックを純粋に楽しめなくなるだけです。
しかし、こういうことを書いてもそのような考えを捨てようとする方はあまりいないでしょう。

でも、こういう考え方もあるって言うことを心の隅においていてください。いつの日にか理解できると思います。

そして最後にもう一度。
マジックは芸術です。

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マジック、手品のタネを明かすことは、マジックを人に感動を与えるエンターテイメントとしてとらえたとき、多くの人にとって負の要素が多いように思います。しかしながら、マジックを見る立場ではなく、その感動を人に与えようとする立場の人にとっては有益なものとなる思っています。
不思議なことに対して感動を失わずにずっと夢を持ち続けられる方に対してのみ、マジックや手品のタネや面白さを紹介していければよいかなと思っています。
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